2013年4月22日月曜日

将棋ソフトが電王戦を制す。

爺さんがやってきたが、元気がなさそうだ。

「予想通り今回はコンピューターが勝ちましたね」と水を向けるがただ頷くだけだ。「どだい無理ですよね。コンピューターがこれほど進化してくると、人間が素手で立ち向かうのは。せめて薙刀ぐらいは持たしてやりたいですね」

昨日の大河ドラマ「八重の桜」で、八重は竹子に自信のある薙刀で敗れ呆然とする。剛力あやめがいう。「八重さんは鉄砲さ撃つから」。答えて竹子「薙刀には心があるから鉄砲なんか(何にもならない)」 その竹子も後に銃弾で倒れる。

爺さん曰く、「今日の朝日新聞の天声人語では、棋士同士の対決では、名前負けして自滅するようなことがあるが、電脳ではそれがないから強いというような言い訳が書いてあったよ」

「中国語でコンピュータのことを電脳なんていうけど、これは誤訳であるばかりか、あらぬ誤解を招きかねないですよね」と私。「コンピュータは単なる道具でその使い方(アルゴリズム)を考えるのは人間の脳ですからね」

「解説者のなかには、コンピューターは点で考えるが、棋士は先を読んで線で考えると言った人がいたがこれはどうかね」と爺さん。「将棋解説者だけでなく、コンピューター将棋協会の役員ですら、僕らには的外れなコメントをしているように思われますね。」「WordやExcelやDatabase Access を使ったぐらいの人がコンピュータで何ができるかを知っているつもりになっているのじゃないですかね」「コンピュータは馬鹿な奴なんですよ。でも正直もので、人間が教えてやらないと何もできない」


「第4戦までは、棋士は敗因なり、戦局をコメントしてるが、第5戦の三浦八段だけは「何故負けたのか分からない」とコメントしているがこれはどういうことだろう?」と爺さんは真顔で聞いた。
「これがGPS将棋の強さでしょう。結局コンピュータ将棋の強さは、豊富なDatabaseとそれを使いこなすアルゴリズムですから、三浦八段の頭にある譜面量とそれから引き出す想像力において、コンピュータが勝ったということで、もしGPS将棋だけで5戦全部戦っていたら、他の棋士も同じコメントを残して負けていたでしょうね。」

「GPS将棋と羽生名人と対戦したらどうなんだろうな?」と爺さんが聞く。「それはどちらが勝つか分かりませんよ。Databeseと言っても全部の組み合わせからみれば、ほんの一握りのものだし、名人の持つ創造力も計り知れないものがあるでしょうから。ただ、羽生マジックのようなものは、通じないでしょうがね」

「今後どこまで進化していくのだろうね。その内、第1手を打ったら、投了てな時代がくるかもね」と爺さん悪ふざけ。

「まさかオセロ・ゲームでもあるまいし」と、なぜか弱弱しく私は答えた。



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